このたび当協議会では、医学生理学分野およびその関連領域において優れた研究成果を挙げ、社会ならびに後進の研究者への貢献が顕著な中堅女性研究者を顕彰すべく、「ミリセント・ウィレム女性科学者賞」を創設いたしました。

本賞は、科学の進展と多様性に富んだ研究環境の醸成を目的とし、2025年度より年1回の授賞を予定しております。

その創設を記念し、初回となる今回は「創設記念表彰」として、当協議会所属研究者を対象とした選考を実施し、下記のとおり受賞者を決定いたしましたので、ご報告申し上げます。

2024年10月1日
一般社団法人アドバンストバイオメディカル協議会事務局


創設記念表彰 受賞者
氏名: 前島 裕子 氏
所属: 福島県立医科大学 病態制御薬理医学講座 准教授
受賞理由:
前島氏は、オキシトシン研究における先進的な業績を通じて国際的な評価を確立されるとともに、女性研究者の育成や地域社会への啓発活動にも尽力されてまいりました。
特に、近年発表された「オキシトシン受容体に対するリガンド探索」に関する研究は、国内外の医学・生理学分野において高く評価されております。
前島氏の取り組みは当協議会の理念を体現するものであり、次世代の女性科学者にとって模範となる姿勢と成果を備えておられることから、本記念表彰の受賞者として選定いたしました。
 
今後の予定
本賞は2025年度より、選考委員会による公募・推薦制度に基づき、広く候補者を募りながら実施いたします。
女性研究者の活躍をより一層可視化し、研究支援の一環として継続的に取り組んでまいります。
 
ミリセント・ウィレム賞について
現在、日本の研究機関における女性科学者の比率は、依然として国際的水準に及ばない状況にあります。こうした背景のもと、本賞は医学領域において顕著な功績を収めた女性科学者を顕彰し、その成果を社会に広く発信することを目的に創設されました。
なお、賞の名称には、SF作家・故 小松左京氏の代表作「さよならジュピター」に登場する女性科学者「ミリセント・ウィレム博士」の名を冠しており、これはご遺族である小松実盛氏ならびに小松左京ライブラリ様の正式なご承認を得たうえでの命名となっております。
本賞の創設は、女性科学者の更なる飛躍を後押しするとともに、科学界における多様性の促進、ならびに未来志向の精神の継承にも資するものと考えております。
一般社団法人アドバンストバイオメディカル協議会は、今後も科学と社会をつなぐ新たな価値の創出に努めてまいります。